近年の急速なAI需要の増加によりパソコン業界からは悲鳴の嵐です。
特に影響が大きいのがパソコンやスマートフォンに欠かせないメモリ(RAM)と、データのストレージであるSSDの価格上昇が激しく、本記事の執筆段階でも既に5倍以上もの価格に跳ね上がっています。

AI需要増で大幅値上げへ

OpenAIやGoogleを筆頭に、大規模なAIサーバーの稼働には相応のサーバーやデータセンターが必要不可欠。

そして、大手メモリーメーカーは利益率が高く大型契約を結べるこれらの企業への供給に注力、結果として一般消費者向けのPCパーツへの割り当てが減少しています。
需要が供給を上回れば価格が上がるのは市場の原理であり、大幅な値上げは避けられない状況です。

大手メーカーも次々と値上げ予告

すでに複数の大手PCメーカー(DELL, HPなど)からは価格改定の予告がされており、早ければ12月中旬から2026年の1月には多くのメーカーで値上げが実施される見込みです。

国内の大手PCメーカー及び周辺機器メーカーも在庫限りをもっての価格改定が余儀なくされ、企業努力で維持されてきた価格設定も限界を迎えつつあるようです。

https://x.com/mouse_computer/status/2000748075573555254?s=61

次のベースモデルはスペックダウンの可能性

価格だけでなく、製品のスペックにも変化が生じる可能性があります。

近年、Windows PCにおいては16GBのメモリ容量が標準的になりつつあり、快適な作業環境の基準とされてきました。
しかし、今回のメモリ価格高騰を受け、エントリークラスや普及帯のモデルでは、標準搭載メモリが再び「8GB」へと逆戻りするとの噂も流れ始めています。
このような”ステルス値上げ”はPC性能の知識が豊富でないと気付けない罠のようなもの。
複数のアプリを同時に開いたり、少し重い作業を行ったりする際には動作が重くなる場面がどうしても増えるため、ユーザーにとっては実質的なコストパフォーマンスの悪化です。

ストレージ容量も減少か

スペックダウンの波は、メモリだけでなくストレージ(SSD)にも及ぶ可能性があります。256GBや512GBが当たり前となっていた昨今ですが、部品コストの高騰により、安価なモデルでは容量の少ないSSDが採用されるケースが増えるかもしれません。
OSやアプリケーションのサイズは年々肥大化しており、クラウドストレージの活用が進んでいるとはいえ、ローカルストレージの容量不足はPCの使い勝手を大きく損なう要因となります。購入時には、メモリ容量だけでなく、ストレージ容量もこれまで以上に慎重にチェックする必要が出てくるでしょう。

AI性能が新たな売り文句に

昨今のPCメーカー各社が新たな付加価値として前面に押し出しているのが「AI性能」です。

家電量販店でも目立つポップや特設コーナーが設置されていたりしますが、実は「ChatGPT」や「Gemini」を使うに当たっては、デバイス側の性能はあまり影響しません。
それらは全てサーバー側で処理されており、ユーザーはネット経由で結果を受け取るに過ぎないからです。
便利な一方で、これらの値上げの起因も全てはここに詰まっています。

ただし、「Copilot+ PC」といった一部のAI機能はローカルで動作するため、これらの動作にはパソコン側にも一定以上の性能が求められます。

現行品が最もお得な可能性

値上げやスペックダウンが実行されるとなると、店頭に並んでいる現行モデルが、最もコスパの良い選択肢となる可能性があります。
値上げや、新型モデルの登場前は在庫処分セールなど狙い目のタイミングもギリギリありそうなので、近いうちにパソコンの買い替えを検討しているのであれば、今が底値で買えるラストチャンスかもしれません。

スマホにも影響か

このメモリ・ストレージ不足の影響は、スマートフォン市場にも波及します。
iPhoneをはじめとするスマートフォンも、PCと同程度の処理能力や大容量ストレージを必要とするデバイスであり、主要な半導体部品はPCと共通するものが多いです。

ハイエンドスマホの高価格化はすでに進んでいますが、今後登場するモデルには更なる値上げが予想されています。
既に、サプライヤーからAppleへの値上げ通告があったとの報道も。

まとめ

この世界的なメモリ不足とそれに伴う値上げ傾向は前代未聞のレベルで、メーカー幹部や内部情報のリークによれば、この値上げは2027年, 2028年頃まで続くのではないかという見通しが強まっています。

パソコンの買い替えを検討される方は早めの決断が求められるかもしれません。